1959年にモスクワで開催された国際博覧会で、米国パビリオンのデザインを任されたジョージ・ネルソンは、チャールズ・イームズに協力を求めました。

しかし彼らにはあまり準備の時間がありませんでした。

イームズは、タイムライフ社の会長であり、友人でもあるヘンリー・ルースに、同社が保有する膨大な写真記録を自分が構想するスライドショーのために提供してつかくれるように頼みました。

ルース会長はこれを了承するにあたってただ一つ「イームズがいつかお返しをすること」という条件を付けました。

そしてイームズによる初のマルチスクリーンのスライドショーを目玉に、モスクワの博覧会は大成功を収めたのです。

その1年後、会長はイームズに新社屋の役員フロア向けのチェアのデザインを依頼しました。

イームズは、この依頼にタイムライフチェアとウォールナットスツールで応えました。

ハーマンミラーでは、現在でもこのチェアを製造しています。

また新しく採用したMCLレザーにより、オリジナルチェアの特徴であった柔らかな手触りを復活させました。

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